健康な愛と意志は、恥トラウマの薬。でも、不健康な愛と意志は・・・

「愛する」とか、「意志を持つ」と聞くと、おおげさに聞こえてしまいがちです。
義務とか、社会的責任とか、努力とか、根性とか、
重いものがまとわりついてくるのを、感じる方もいらっしゃることでしょう。
あとは、ふわふわしたロマンチックな愛のイメージです。

クロスロードでは、「愛と意志」について、以下のような理解をしています。

愛について  ~愛することは、関心を持つこと~

愛については、マザーテレサがこんなことを言っています
『愛の反対は憎しみではありません。無関心です』

愛することとは、関心を持つこと
そんなふうに、理解してみたらいかがでしょうか?

このことは、心の中で起こっていることにも当てはめることができます。
精神分析のブロンバーグは、トラウマや解離の本質を「認識されないこと」にあるとしました。

痛みを感じた時、
適切に対処されればトラウマ(心の傷)になることはありません。

その痛みが
「認識されない」時に、
「関心が向けられなかった」時に、
対処されずに、
トラウマとして残り、
その痛みは「解離される(意識から切り離される)」のです。

同時に、
認識されなかったこと、
関心が向けられなかったことへの
「怒り」も解離されます。

そして、適切に対処できなかった養育者ではなく、
「自分が悪い」と考えるのです。

「うるさい子ね! ピーピー、泣くんじゃないよ」
(ママ、ごめんさい。ぼく、がまんする。ママをおこらせた、ぼくがわるいんだ)

「そのくらいのことも我慢できないのか。オマエは何をやらせても、ほんとうにダメだな」
(パパのいうとおりだ。わたしは、なにをやってもしっぱいする。だめな子なんだ)

「お母さんはいま、忙しいの。わからないの? わかった、わかった、後で聞くから待ってなさい」
もちろん、後で気持ちを聞かれることはない。
(つらいとき、ママはたすけてくれない。きもちがつたわらない。わたしのいいかたが わるかったのかな? なにも かんじないようにすれば、たえられるかな?)

人生の苦しみの少なくない部分は、
適切な関心や理解が向けられなかったことによって、引き起こされていると、
クロスロードでは考えています。

愛のある理解、
正しい知識、
あたたかい心をよせてもらうこと、
助けがあること、
そうした「関心=愛」がなければ、
人間の心は、痛みを癒すことはできず、
痛みを解離させること(意識から切り離すこと)くらいしかできずに、
痛みは放置されます。

放置された痛みは、傷となり、
その心の叫びは、膿んで、
凝り固まり、腐り、毒になり、
人生を破壊していくのです。

それが、恥トラウマです。

Q あなたへの質問です

あなたが、「関心=愛」が欲しかったのに、得られなかったのは、いつのことでしたか?
あなたの中の「苦しんでいる部分」に、「関心=愛」をもつことはできそうですか?
カウンセラーから、どんなかかわり、支え、言葉があると、ご自分にもっと「関心=愛」が持てそうですか?

援助者支援


意志について  ~意志とは、方向づけること~

「意志」については、サイコシンセシス(精神統合と訳される、トランスパーソナルセラピーのひとつ)が、
意味深い示唆を与えてくれています。

サイコシンセシスのフェルッチによると、
多くの人は「意志」のことを誤解していると指摘します。

フェルッチは、ヨットの例えで説明しています。

そよ風の中をヨットを動かすのに必要なのは、
自然のエネルギーである風と海の状態を読み、
方向舵と帆を操る技術です。

しかし、多くの人の、意志の使い方は、
風が吹いているのに、オールでヨットを漕いでいるようなもので、
あまりにも無駄なエネルギーを浪費していると、指摘します。
また、「厳しすぎる努力」は罠であり、
心理的な怪物だ、と述べています。

意志の機能は、
進む方向を決めて、
風と海を読み、
帆と舵を調整することだけです。
頑張って、筋力を使って、オールを漕ぐことではないのです。
(お気づきですか? わたしたちは、この「無駄な努力」を
賞賛するところがあります)

課題は、
風や海の状態を読むことができること、
帆や舵の調節の仕方を知ること、
そして、一番大切なことは、方向や目的地を決めることです。

人生において、この3つは、何に当てはまるでしょうか?
この3つができれば、意志をもっと楽に使うことができるはずです。

つまり、人生が楽になります。

「意志」は、幼児が立ち上がり、人生の最初の一歩を踏み出す時に、鮮明に現れます。

わたしたちは、ひとりで歩きたい、
独り立ちしたい、
自分の力を試してみたい、
人生で何かを実現したいのです。

これは「本能」です。

「意志」という、本来、自然で自由な本能が抑圧され、歪み、自己規制されます。
その結果、わたしたちは心を病むのです。

自分には、そんな「楽な」「自由な」人生を送ることはできない、
そんな力も、価値もない、と考えます。

それが、恥トラウマです。

Q あなたへの質問です

ご自分の中の、何を、自己規制していますか?
立ち上がり、歩き始めると、どんな過酷な声が、あなたを怖がらせるでしょうか?
歩き始めのあなたには、どんなサポートがあると良いですか?
カウンセラーから、どんなかかわり、支え、言葉があると、勇気づけられますか?

そして、後悔しないためには

わたしたちは、我慢して、頑張って、義務として、努力して行うこととして
愛と意志を理解をしがちです。
(あるいは、愛の場合は、ロマンチックで、現実的な力のない、長続きしない甘い夢としての愛です)

しかし、そんな愛と意志には、生きる歓びがありませんし、持続可能ではないでしょう。
もちろん、人生にはそうした、「我慢の」愛と意志に費やさねばならない日々もあります。

しかし、そのような「我慢の」愛と意志ばかりを実践していたら、
いつの日か、うんざりして、放り投げてしまうか、
死ぬ間際になって、すごく後悔しそうです。

わたしたちは、
愛すること、意志することが、どういうことなのか?
実は何も知らなかったのだと、
謙虚に自覚して、
ゼロから学びなおす必要がありそうです。

航海への招待状

あなたの心、あなたの人生という海があります。

あなたが船長になって、航海にチャレンジしてみませんか?

年齢(幼児から高齢の方まで)、性別、性自認や性的指向、国籍や民族は無関係です。(なお、対応言語は日本語のみです)

もちろん、この航海には、
クロスロードのカウンセラーがご一緒させていただき、
最高最大のサポートをさせていただきます!

ご乗船を、心よりお待ちしております!